身体に直接あたるため、バックパックにとって一番大切なパーツといっても言い過ぎではないショルダーハーネス。
これのことです↓
今まで「S/M」サイズと「L/XL」サイズの2サイズ展開でした――が…
多くの方に背負ってもらうにつれ、どうしても2サイズだけでは身体に合わない問題が浮上してきました。
ショルダーハーネスのサイズは、
「普段着用されているTシャツのサイズ」
を参照にして選びます。
体格の小柄な方(普段女性用のTシャツSサイズ以下を着用されているなど)の場合、どうしてもショルダーハーネスサイズ「S/M」では大きすぎてしまうのです。
そこで、より小さな「XS」サイズを製作すべく立ち上がりました!
まずは現行のショルダーハーネスを参考にして図面を引っ張ります。
イメージ的には、現行の「S/M」サイズに対して、
・肩にあたる部分の長さを「短く」…
・首回りをより「タイト」に…
ショルダーハーネスは当初、1サイズ(現行の「S/M」)のみでした。
そのプロトタイプを友人知人に背負ってもらっていく中、どうしても体格のがっちりした方に合わない問題が発生しました。
そこで、より大きなサイズ「L/XL」が誕生したのでした。
人によって個性豊かな千差万別の体型。
ここに合わせるパーツを作るのは想像以上に大変です。
なにせ自分の身体で確認できないのですから…
バックパック作る以上に大変なのかもしれません。
とはいえ、この「L/XL」サイズを作る際、散々悩み倒した部分。
サイズ展開をする場合の要点はつかんでおります。
型紙の元型ができました。
これに合わせて材料を裁断します。
ショルダーハーネスだけでパーツの数は38個くらいあります。
裁断したパーツを縫い合わせていきます…
次第にひとつにまとまっていきます…
完成!
ひっくり返すとこんな感じです。
他のサイズと比較してみます。
左から右にかけて「XS」→「S/M」→「L/XL」サイズです。
肩にあたる部分が次第に長くなっていくのがわかりますか?
重ねてみました。
上から下に「XS」→「S/M」→「L/XL」サイズです。
肩回りの体型にかわってくるパーツのため、体格差が出てくる箇所です。
数値でいうと30~40㎜ずつ変化させています。
これだけで見ると小さな違いですが、背負ってもらうと大きく異なります。
首回りの部分です。
写真の下にあるのが「XS」、上が「S/M」サイズです。
内側にキュッとタイトに短くなっています。
こちらは首回りにかかわるパーツで、クビキ(肩甲骨上部)に荷重を載せる際に大切になる部分です。
出来上がったショルダーハーネスは、実際に小柄な方に背負ってもらい微調整を加えていきます。
調整しては、型をもう一度起こしての繰り返しです…
完成した「XS」サイズは、小柄な女性にフィッティングしてもらった際の身体の当たり具合も、以前よりしっくり出来上がりました!
今まで、フィッティングした際にショルダーサイズが大きすぎてお断りしてました小柄な皆様、どうぞお問合せくださいませ。
バックパック作りはまったく答えのない世界だとつくづく思います。
自分の中で出した答えでも、背負ってもらう方にとって正解かどうか。
これからも色々な方に背負ってもらいながら、日々日々更新していこうと思っています。
以上ご精読ありがとうございました。