大型バックパックを選ぶときの参考になるよう、実際に荷物をパッキングした際の様子をご紹介いたします。
2023年10月、大型バックパックのラインナップを2つに分岐させました。
40リットルと50リットルです。
10リットルの違いですが、単純に容量が異なるだけではなく、バックパック本体のカタチも別々で設計しています。
Backpack40は、荷物がスッキリ収まるようにそこに向けて傾斜がかかっています。
Backpack50は、多くの荷物を納められるように寸胴型。
横から見るとわかりやすいかもしれません。
Backpack40の方は、下部がシュッとしていますが、
Backpack50の方は、下部がドシリとしています。
以前の大型バックパックからみると、Backpack50の方が直系になります。
Backpack40は全く新しく設計を行いました。
バックパックにとって一番大切な背面構造はどちらも共通です。
センターストラップが、ショルダーハーネスに直結する構造から、バックパックの性能を最大限活かすためには、運ぶ荷物に合わせて、適切な容量のバックパックを選ぶことが大切です。
容量が小さすぎて荷物が入りきらないのも問題ですが、
荷物が少なすぎて、バックパックの容量を使い切っていない(センターストラップが効いてない)状態もよくありません。
ぜひパッキングの比較をご参照くださいませ。
さっそくパッキングしてみます。
泊り山を想定して、3シーズンの一般的な装備を用意しました。
・寝袋(ダウン量380g(総重量680g))
・山岳用テント(ダブルウォールのドーム型)
・スリーピングマット(1.5㎜厚×120㎝長)
スリーピングマットは防水用のバック(8リットル)に入れます。
シェルターは山岳用テントです。
一番かさばる想定で選択しています。
スリーピングマットは、クローズドセルのロールマットを使用します。
パッキングしていきます。
ロールマットは、円筒状にパッキングすることで、バックパックのフレーム機能を持たせます。
生地に対して内側からのクッション材としても役立つので、バックパック生地の耐久性も格段に上がります。
スリーピングバッグを入れます。
パッキングするにあたり、一番底の部分(ウエストハーネスに関わる部分)はとっても大切です。
しっかり荷物の「基礎」を作ってあげるイメージで荷作りしてみてください。
テント入れて…
テントポール入れます。
長物は、バックパック背面側のサイドに入れると収まりいいです。
こんな感じで完成~
Backpack40の場合、このあたりまで荷物が入っている状態になっています。
Backpack50の場合、このあたり…
ベアキャニスター(熊用の食糧保管容器)を入れてみます。
個人的には、パッキングするのに一番凶悪な荷物ナンバーワンです。
Backpack40の方から…
ロールマットでバックパックの胴回りの容量が狭まっているので、ベアキャニスターはギチギチな感じです。
こんな感じです。パンパンで余裕がない。
Backpack50の方にも…
こちらはロールマットで胴回りが狭まっても、ベアキャニスターはすんなりスコっと収まります。
バックバック上部にはまだ余裕がある状態です。
寝袋を冬用(ダウン量500g(総重量842g))に替えて同じくパッキングしてみます。
寝袋用の防水バックは今回13リットル
ロールマットを入れて…
寝袋で基礎を作って…
テント類をパッキング。
Backpack40の場合、荷物はこのあたりまできました。大体本体容量の半分くらいを使っている状態。
Backpack50の場合、荷物はこのあたり。
寸胴型の底部が有効に活用できるので、かさばる寝袋を入れても本体容量を圧迫させません。
ベア缶を入れてみましょう。
Backpack40。もう何も入らないので、フレーム代わりにしている内側のロールマットを外づけにする必要があります。
Backpack50の場合ベア缶がちょうどロールマット上部と同じくらいの高さに収まりました。
Backpack50。このあたりまで荷物がきていますが、バックパック上部にまだ余裕があるので荷物をさらに増やすことができます。
試しに8リットルの荷物をば…
まだまだ余裕。
最後の一押しで荷物を押し込みたいバックパック本体の上部は、一番広く設計しています(バックパック下部から上部にかけてラッパみたいなカタチになっています)。
さらに吹き流し構造にしているため(巾着スタイル)、バックパックの口がしっかり締まらなくてもなんとかなる設計です。
今回、一番かさばる想定の装備でパッキングの例を示してみました。
軽量な登山道具を選択する場合、この例からご自身で引き算してみて参照してください。
ご精読ありがとうございました。