Blog-バックパックのテストで面白山登山

登山

バックパック(仮)を作ったのでさっそく遊びにでかけましょう。

去年さんざん、そのふところを流れる新川の沢でお世話になって、今年もおそらくお世話になる予定の「面白山」に行きます。

山形県HP やまがた山

沢じゃぶじゃぶシーズンになると山頂を目指さなくなってしまうので、積雪期はちゃんと登山する貴重な時期です。

しっかりと早起きをして、お弁当のおにぎりをこさえました。
おにぎりの好みをきくときに、具材の話になることが多いですが、私は断然「指についた米粒が一番うまい派」です。握っている時は食べちゃだめの「おあずけ状態」だからでしょうか?一粒一粒の甘みが際立って感じます。

荷物をそろえてパッキング、ゆっくりとしていたら通勤時間帯にぶつかってしまいました。
夏の登山道の場合2時間くらいのコースなので、倍をとっても4時間程度。
のんびりと登っていきましょう。

9:11

天童高原スキー場着
自衛隊SAMURAI OliveDrabの皆さんがスキーをはいて演習に励んでいました。敬礼。

忘れ物チェックをして私もいざ出陣

リフトの下を通ってスキー場を横ぎる。登山道に向かいます。

「締め掛けの松」

「…近世の山岳信仰は、西は湯殿山、東は面白山権現と云々」
面白山までいけない人はこの松のもとにある姥神を拝んで下ったようです。私も山頂までいけなかったら姥神のお世話になりましょう。

スキー場を登りきるとキャンプ場があります。そこから登山者のトレースがのびてました。
尾根をひたすらたどるコースですが、トレースに沿って歩けばルートを確認しなくてよいです。雪ラッセルの心配もありません。ありがたいことです。感謝してこの道を使わせてもらいます。


動物がスキー場に入らないよう柵が巡らせてありました。こちらはそのゲート

もとの高さはどのくらいのものなのかわかりませんが、よいこらしょとまたげるほどの積雪状況です。

道標も雪に埋もれています。
さぞかし雪に埋もれるだろうと予測してましたが、がっちり締まってかたまってます。
水平が保てないので少し歩きにくい。

ハイキングコース上の看板。
「うっしー先生」がクイズを出してくれたりしますので退屈しません。

ふと足元を見る、雪に不思議な模様があります。

見上げると…

ぱらぱらと樹氷に着いた氷が、陽光に照らされて落下してきました。
早朝かなり冷え込み、マイナス5度まで落ち込んだようですが、日中は高気圧に包まれかなり気温が上がるようです。陽光が照りかえって凍てついた木々を溶かしていきます。

見上げるとぱらぱら、

枝に着いた氷が雪面に落ちて不思議な模様をつけていました。

どんぐりも落ちてます。

9時59分「吉野平放牧場」分岐

動物の足あと。雪道は過去の時間を残すので、3.5次元を歩いている気分になって楽しいです。

10時38分「三沢山山頂」到着
向こうに見えるお山が面白山です。

それにしても天気がいいです。
凍てついていたすべてがどんどん溶かされていきます。

雪虫。「セッケイカワゲラ」というようです。
私は白いふわふわした綿をつけている虫を「雪虫」だとおもっていましたが、地域によって「雪虫」の名前が示す虫は異なるようです。
俳句の季語で「雪虫」というと、このセッケイカワゲラをさすようです。
雪の時期に見られるこのタフな昆虫は、全身真っ黒で飾りっけがまったくないフォルムです。
いつも雪の上をちょこまか動き回っています。
いったい何を食べて生きているのでしょうか?
他の生き物が静かに寝静まる季節を狙って、生活時期を積雪期に選んだセッケイカワゲラ。
こっそり尊敬しています。

三沢山から面白山まで急登をあえいで登ります。
軽アイゼンのチェーンスパイクで挑んでいましたが、これだけ斜度が傾くと、しっかりとした12本歯のアイゼンが欲しくなります。
幸い灌木がかなりあるため、枝をつかんだりしながら登っていきます。

ここで先行していた登山者を3名追い越す。トレースがめっきりなくなって、自分で足場を蹴ってつけなければならなくなってしまいました。
トレースはあったものの、今日のものとは思っていなかったので、同じ面白山を登っている登山者がいて少し嬉しいです。
ザクザクと登っていくと山頂が見えてきました。

11時26分「面白山山頂」登頂

山頂に到着しました。
先行していた、めちゃくちゃ玄人な感じの親方1名がいらっしゃいました。トレースありがとうございます。

ここまで風もなく、登りで汗をかくほどでしたが、山頂に立つと風があり寒いです。ぶるぶる。

北を見れば鳥海山まで見ることができる絶景です。
天気が良すぎて霞んでしまっているか心配していましたが杞憂でした。

最高の展望が望めます。やっほー

天気がいいため、お地蔵様も雪から顔を出しています。

私:あの、バックパックの新作作ってみたんですけど、いかがでしょうか?
お地蔵さん:うむ、苦しゅうない。

南の方角には蔵王山が望めます。
お湯を沸かしてお昼ご飯にしました。

途中で抜かした登山者も到着しました。
男性1名とご夫婦2名。
語尾に「の~」をつけて話すご夫婦の旦那さんはなんと78歳。先週の日曜日には湯殿山を登っていたとのことで、大変お元気な岳人です。
静かに奥さんの足取りを見守る旦那さんと、そんな山好きの夫について朝3時に起きて登山に来る始終笑顔の奥方。とても仲のいいご夫婦です。

12時56分帰路

来た道を戻ります。綺麗な稜線をたどって歩きます。

シカかカモシカの足あと

雪道の場合、登りは大変ですが、下山は半ば走るように降れるので帰りは楽です。雑に足をおいても、雪がふかっと沈んで受け止めてくれるため、足の置き場をあまり確認する必要がないからです。

しかし今回の雪道は、かなりかたく締まっていたため、適当に降ることができません。
さらにアイゼンに氷がくっついてくるため、高下駄をはいたようになってしまいます。
雪は天気や気温などの影響でさまざまに変わっていく積雪期の歩き方は、まだまだ経験が足りないなと思いました。精進しましょう。

草本塔

13時54分「スキー場」到着

自衛隊の皆さんは引き続き雪中訓練に励んでいました。

面白山を振り返ります。

スキー場のラウドネススピーカーからは、めちゃくちゃフュージョンな音楽が流れていました。
ウェザーリポート天気予報どおり最高の天気に恵まれました。

帰りは天童温泉「ゆぴあ」に入ってきました。
350円なり。

ピーカンとあって日焼け止めを塗ってましたが、それでも焼けてしまったようです。
顔が真っ赤になってました。

温泉の売店には、地のもの産直に「たらのめ」が並んでいました。
季節は春に向かいつつあります。

以上です。ありがとうございました。