Blog-小型のバックパック作成中

DIY

前回に引き続き、小型のバックパックの制作秘話をお伝えいたします。

自分が欲しい小型のバックパックのイメージをもとに、実際にかたちに起こしていきます。

思ったままを鉛筆でスケッチしていきます。

そんなふにゃふにゃの妄想を、比較的まともな頭でピコピコ計算しながら、現実の物理原則に落とし込んでいく作業。
立体の袋を展開図にしていきます。

少しミカンの皮をむく感じに似ています。
牛乳パックの解体でもいいです。

ある程度まとまったら、先ほど作った展開図にそって、1分の1で作ってみます。
専門用語で「シーチング」というようですが、よくわからんです。
この時に使っている生地は、住宅用建材で使われる不織布といわれる生地です。
とっても安いので、気軽に使えます。

じゃんじゃん切っていきます。
ざっくりとしたサイズ感やなんやかやの見当をつける作業ですので、それほど慎重さは求められません。てきぱきといきます。

裁断した生地を縫い合わせます。

出来上がりました。
今まで頭の中にしかなかった想像が、仮にではありますが実物のかたちを帯びると、少し感動します。

ショルダーハーネスを取りつけるとこんな感じ。

これが一番の大きい容量の時で…

底の部分を、ぐっと引き寄せると小さくすることができます。

ここから、各部分の長さを実測していき、ストラップやギアループの位置を決め、そこに合わせた生地の切り返しを考えていきます。

思うがままを落書きしていきました。

採寸した長さをもとに、正確な展開図を起こしていきます。
ここからはミリ単位の正確さが必要です。
すこしでもずれると、縫い合わせに無理が生じて、バックパック本体の弱点にもなってしますため、かなり慎重に線を引いていきます。

型紙(仮)ができました。

型紙に沿って、実際に使う生地を裁断していきます。

裁断できました。パーツ類も揃えます。
食材を並べている感じで、料理をしている雰囲気です。

縫製作業中。じゃんじゃん縫っていきます。

完成しました。

横から

正面からパチリ

底の部分を上に引きつけて、容量を小さくしてみます。

実際にテスト試作品を作ってみると、改善しなければならない点がどぼどぼと噴出してきます。
どれだけ構想を練っていても同じです。
そんな「違う、そうじゃない」感をくみ取って、最初のスケッチにまた戻っていくわけです。
スクラップ・アンド・ビルドと申しますが、ビルド・アンド・スクラップの順です。
せっかく何日もかけて作った試作品に欠点が見つかってくると、かなり悲しくなります。
が、ここからが踏ん張りどころです。

試作品の欠点をくみ取ったスケッチを描きます。
そこから、もう一度展開図を作成して、型紙を作っていきます。

型紙を作ったら、生地を裁断して…

縫い合わせていきます。

こんな作業を、納得するものができるまで繰り返していきます。
現在4ターン目。1か月過ぎてしまいました…

混沌としてきました。もう泥まみれのもみくちゃ状態です。
この記事を書いている今でもそうですが、頭の中の大半がバックパックになっています。
生活している間ずっと、右斜め上空に、ふわふわと「バックパック考案中」の吹き出しが浮いている感じ。

六代目三遊亭圓生師匠の噺に『紺屋高尾』というものがあります。それに大変よく似てまして、
「刷毛を持って糊をひいてれば、刷毛が高尾に見える。飯を食やぁおまんまが高尾…見るものみんなが高尾…こうやって話をしてりゃ、先生…」の「高尾」が「バックパック」に置き換わった状況…
危険極まりない泥沼です。

そうはいっても、次第と自分の中の理想に近づいてきました。
なんともいいにくいのですが、正解に近づいてくるにしたがって、なぜかシンプルなものになっていく気がします。
シンプルな印象を受けるのは、私の主観が大いに影響しているのでしょう。
ごちゃごちゃ余計なものがそぎ落とされていく過程で、頭の中のバックパック熱が冷まされて、次第に冷静になっていきます。

現在も小型パックを作成している最中ですので、随時報告できればと思っています。

今回は以上です。ありがとうございました。