Backpack45-バックパックの背負い方

バックパックの背負い方を解説します。


はじめに

まずはじめにバックパックに荷物をパッキングし、適正な荷重が身体にかかっているかを確認する準備をします。
パッキングする荷物は、実際登山で使う道具がベストです。
毛布などをつめてバックパックに荷物が入った状態を仮に作ることもできます。その場合、荷物の重さが5㎏以上になるよう、水の入ったペットボトルなども一緒に入れることも忘れないでください。


ショルダーストラップの調整

ショルダーハーネスに接続するショルダーストラップの長さを調整します。ショルダーストラップを引きつけ、背中にかかってくる荷重を感じてみてください。

緩すぎる場合

バックパック本体が後ろ側に倒れるため、後ろに引っ張られます(ショルダーハーネスを通して感じる荷物の重さが、前面寄りになる)。

締めすぎた場合

ショルダーストラップを引きすぎると、腰に荷重がかからなくなります。

締めすぎた際は、ウエストハーネスをゆるめ、バックルを外し、ショルダーストラップをゆるめて、最初に戻ってください。


ショルダースタビライザーストラップの調整

ショルダーハーネスに接続するショルダースタビライザーストラップの長さを調整します。ショルダースタビライザーストラップを引きます。
三角形の空間を作るよう意識してください。引きすぎ注意です。

緩すぎる場合

バックパックが後ろ側に倒れます。
その場で身体を軽く上下に揺さぶると、バックパックが暴れるように動きます。

締めつけすぎた場合

ショルダーハーネス全体にかかっていた荷重が、胸の方にかたよってきます。
必要以上に胸のショルダーハーネスが引っ張られます。
また、肩甲骨上部にかかっていた荷重が抜けます(肩甲骨上部あたりにショルダーハーネスとの隙間ができる)。


チェストストラップの調整

チェストストラップの高さを調整します。
チェストストラップの高さは、脇の下のラインが目安です。

チェストストラップは、ハーネスハーネスを最適な位置に保つための機能です。息を吸い込んだ状態でゆるみが出ない程度に締めつけます。引きすぎ注意です。

緩すぎる場合は、息を吸い込んだ際にもゆるみがある状態です。
引きすぎた場合は、息を吐き出した際にもゆるみがない状態です。


正しくショルダーハーネスが調整されていると、ショルダーハーネスに、まんべんなく荷重が伝わります(荷重分散が適正に行われている状態)。

荷重分散が適正に行われている場合、ウエストハーネスを緩めても、身体にあたるショルダーハーネスの部分は変わりません。

一方荷重分散がしっかりと行われていない場合、ウエストハーネスを緩めると、今まで身体に感じていなかったショルダーハーネスの部分にも重さを感じるようになります。


バックパックの背負い方(実践編)

ウエストハーネスとショルダーハーネスにかかる荷重の比率に関しては、背負う人それぞれの好みがあるため一概にはいえません。ウエストハーネス6:ショルダーハーネス4くらいを目安に試してみてください。

腰荷重を増やしたい場合は、ウエストハーネスのベルトを締めつけ。腰荷重を減らしたい場合は、緩めます。

何時間も荷物を背負い続ける場合、この腰荷重比率を上手に変えることで、腰や肩を休めることができます。

鎖場や急斜面の登降など、両手を使って上半身が激しく動く際は、ウエストハーネスが上にずり上がってきてしまいます。ウエストハーネスを緩める。もしくはウエストハーネスのバックルを外して、ショルダーハーネスだけで背負うなどで対応します。

バックパックの調整は、バックパックを背負う度ごとに行ってください。最初のうちは少し面倒ですが、何度も繰り返し調整することで、各ハーネスが身体にあたる感覚、荷重が乗る感覚をつかめてくるため、背負ったと同時に自然と調整する癖ができてきます。